日本ライフオーガナイザー協会

日本ライフオーガナイザー協会

  • contact
  • members
  • shop

JALO公式ブログJALO’s Official blog

2026.09.11

タスクと習慣は、違うものだった〜CLOプログラム受講者メンバー8月勉強会


吉村あきこ
吉村あきこ
CLOプログラムディレクターの吉村あきこです。
脳の特性により慢性的に片づけられない人をサポートするための専門的な知識を得られる専科講座CLO資格認定プログラム受講メンバーの8月の勉強会を開催しました。

CLO資格認定プログラムとは、 ADHD(注意欠如・多動症)・自閉スペクトラム症・ホーディングと呼ばれる溜め込み癖・脳の機能障がい等を一因として、慢性的に片づけられず日常生活に支障をきたしている状態(Chronic Disorganization=CD状態)の方のサポートに必要となる専門的な知識と技術を継続的に学ぶプログラムです。 >

このプログラムで学んでいるメンバーが、月に一度、Zoomで勉強会に参加しています。

CLOプログラムディレクターの吉村あきこです。
CLOプログラム(脳の特性などにより慢性的に片づけられない状態にある方へのサポートを専門的に学ぶプログラム)を受講中のメンバーと、定例の勉強会を開きました。

今回のテーマは、更新されたプログラムのタイムマネジメント分野です。あわせて、それぞれが現場で困っていることを持ち寄りました。

プロジェクト、タスク、ゴール、習慣は別のもの

新しい教材で、メンバーの反応がいちばん大きかったのがここでした。

日本語だと、どれも「やること」でひとくくりにしてしまいがちです。けれど教材では、タスクはそれ単独で終わりまで到達できるものと定義されていて、複数のタスクが集まってはじめて完了するものはプロジェクトと呼び分けられています。ゴールには期限がありますが、習慣に期限はありません。

「自分はタスクと習慣を混ぜていました」と話したメンバーがいました。

混ざっていると、いつまでも終わらないものに期限を設定してしまったり、逆に一度で終わるはずのことを延々と繰り返すつもりでいたりします。うまくいかない原因が、やる気ではなく分類のほうにあったということが起こります。

これは支援する側にとっても大きい話です。クライアントが「片づけを習慣にしたい」と言ったとき、それが本当に習慣なのか、実は期限のあるプロジェクトなのか。そこを一緒に見分けるところから、支援の設計が変わってきます。

動かせない予定を、締切にする

ゴールには期限が必要です。とはいえ「いつまでにやりますか」と聞かれて、すぐ答えられる人ばかりではありません。

勉強会で出たのは、すでに決まっている予定を締切にするという方法でした。クリスマスやお正月、親戚が来る日。自分で決めた締切はいくらでも動かせてしまいますが、人が来る日は動きません。新しく期限を決めなくて済むぶん、提案するほうも楽になります。

ゴール設定が苦手な方にも渡しやすい考え方だと感じました。

片づけたい理由は、本人の中にある

もうひとつ話題になったのが、動機の置きどころです。

「親に見られたときに恥ずかしくないように」という理由で始まった片づけは、その場が過ぎたり状況が変わると続きにくくなります。外からの評価が動機になっているあいだは、評価する人がいなくなった時点で理由のほうも消えてしまうからです。反対に「友達を呼べる部屋にしたい」という動機だと続きます。本人が望んでいることだからです。

このとき気をつけたいのは、ゴールを大きくしすぎないことでした。

「暮らし全体を整える」は立派ですが、遠すぎて手がつきません。友達をひとり呼べる状態にする、くらいまで小さくすると届く距離になります。小さいゴールに届いた経験が、次のゴールを引き受ける力になります。順番としては、そちらが先だと思います。

覚えておくのを、やめる

後半は、メンバー自身のタスク管理の話になりました。

書き出す人もいれば、音声メモに残す人、カレンダーにすべて入れる人もいました。方法はそれぞれでしたが、頭の中だけで抱えずにいったん自分の外に出しているという点は共通していました。

わたし自身は、紙で管理するのをやめてGoogleカレンダーに集約しています。繰り返さない予定は終わったら忘れていて、「まだ終わっていないこと」をすぐに見えるようにしています。最近は、記憶と段取りの一部をAIに預けることも試しているところです。

面白かったのは、「外に出すのが苦手」と話したメンバーがいたことでした。書き出せないこと自体を責めるのではなく、なぜ書き出せないのかを考えてみる。書く形式が合っていないのかもしれませんし、そもそもやることが大きすぎて、言葉にしきれないのかもしれません。その場では「音声メモなら出せるかも」という提案が出ていました。

支援の現場でも同じだと思います。「メモを取りましょう」で終わらせず、その人にとって出しやすい形はどれかを一緒に探すところまでが、オーガナイザーの仕事ではないでしょうか。

行動は、環境のほうが決めていることがある

最後は、ごみの話でした。

食事のあとの空き容器を床に置いてしまう。片づけられないのではなく、手を伸ばした先にごみ箱がないからというだけのことがあります。
ごみ箱・ごみ袋の大きさも話題にもなりました。大きいと「まだ入る」と思って出さなくなりますし、小さければ満杯になるので出さざるをえません。体調に波がある方の場合は、ごみを出しに行ける日が限られるので、体調と容量の関係も見ておく必要があります。

「気をつけて捨てましょう」と声をかけるより、ごみ箱をどこに置くかを一緒に考えたほうが、たいてい早く変わります。

おわりに

今回の勉強会は、教材で学んだ枠組みを、自分の暮らしとクライアントの暮らしの両方に当ててみる時間になりました。

タスクと習慣を分けることも、動かせない予定を締切にすることも、手の届く場所にごみ箱を置くことも、特別な手法ではありません。それでも現場で効くのはこういうところだと、あらためて感じています。

メンバーには、まず自分のタスクをひとつ外に出してみるところから試してもらうことにしました。自分で変化を体感したものは、人にも渡しやすくなります。

CLOプログラムの教材は更新が続いていて、日本語で学べる範囲も広がっています。慢性的に片づけられない状態への理解は、いまも研究と実践が積み重なっている途中の分野です。学び続けるメンバーと、次回もまた持ち寄りたいと思います。

 

 

クライアント対応への不安を減らしたい、これから現場に出たい、もっと自信をもって様々な現場にいけるようになりたい方にも受講をおすすめします。10月には12月開講分のCLO資格認定プログラム申込み受付がスタートします。CD状態にあるクライアントの基礎知識講座も定期的に開催しています。
吉村あきこ
吉村あきこ

ライフオーガナイズ?ライフオーガナイザーって何?という方はライフオーガナイズ入門講座の受講をおすすめします。 ライフオーガナイザーに興味がある、という方は、ライフオーガナイザー2級資格認定講座の受講を、ライフオーガナイザーとして活動したい!という方は2級受講後、ライフオーガナイザー1級資格認定講座を受講ください。
ライフオーガナイザー資格認定講座の詳細や協会概要についての資料請求はこちらから。


タグ

Copyright 2008-2026 Japan Association of Life Organizers. All Rights Reserved.
TOPへ