吉村あきこ

CLOプログラムディレクターの吉村あきこです。
脳の特性により慢性的に片づけられない人をサポートするための専門的な知識を得られる専科講座CLO資格認定プログラム受講メンバーの12月の勉強会が開催されました。その内容を花村久美子さんから報告いただきました。

＜CLO資格認定プログラムとは、 ADHD（注意欠如・多動症）・自閉スペクトラム症・ホーディングと呼ばれる溜め込み癖・脳の機能障がい等を一因として、慢性的に片づけられず日常生活に支障をきたしている状態（Chronic Disorganization＝CD状態）の方のサポートに必要となる専門的な知識と技術を継続的に学ぶプログラムです。 ＞

このプログラムで学んでいるメンバーが、月に一度、Zoomで勉強会に参加しています。

今回の勉強会はカンファレンスの振り返りからプログラムの「CD状態とエイジング　悲嘆がもたらす新たな課題」について学んだこと、感じたことをシェアしました。

花村久美子

グリーフという言葉から、多くの人がまず思い浮かべるのは「大切な人や存在との死別」かもしれません。
しかし今回の学びで改めて確認したのは、グリーフはそれだけに限らない、ということでした。

グリーフは、人生の変化とともに静かに現れる

身体能力の低下、住み慣れた家からの転居、仕事や社会的役割の変化。こうした変化もまた、人にグリーフをもたらします。
特に高齢期は、こうした「喪失」が重なりやすい時期です。

自分でははっきりと自覚していなくても、心のどこかに寂しさや不安、戸惑いを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。

この視点をもつことで、シニアクライアントとのオーガナイズの場面で、これまでとは違った配慮点が浮かび上がってきます。

「片づけが進まない理由」や「変化を受け入れにくい背景」を、単なる行動や能力の問題として、ではなくグリーフを抱えた状態かもしれない、と捉え直すことができるからです。

安心して話せる場だからこそ、見えてくるものがある

勉強会では、メンバーそれぞれがこれまでに経験したグリーフや、そこから生じた感情、日常の中でどのように向き合ってきたかといった話も共有されました。印象的だったのは、この勉強会のスタンスです。

「話したい人が、話したいことを話す」
「答えを出すことを目的としない」

感情的になりそうな流れであっても、無理に整理しようとせず、評価や正解を求めない。
その空気感があるからこそ、安心して参加し、自分自身の内側とも静かに向き合うことができています。

ライフオーガナイザーとして、できること・できないこと

私たちライフオーガナイザーは、心理の専門家ではありません。

グリーフを抱えたクライアントの心理ケアを直接行うことはできませんし、すべきでもありません。けれど、グリーフという視点を知り、理解しようとすることはできます。
それは、クライアントに対して思いやりと敬意をもって関わるための、大切な手がかりになります。

「なぜこの選択が難しいのか」
「なぜこのモノを手放せないのか」

その背景にあるかもしれない感情を想像できること自体が、オーガナイズの質を支える力になると感じています。

学び続けることが、信頼につながる

CLOプログラムは、単に知識を増やすための学びではありません。

クライアントの暮らしや人生の背景に、より丁寧に目を向けるための視点を育てる学びです。それによりクライアントへのサポートに安心を増やし、信頼へとつながります。

花村久美子

片づけの現場において、実際にCLOプログラムで学んだことを活かす場面を私自身何度も経験し、その価値を実感しています。また、学びを重ねている仲間たちとの時間はわたしにとってかけがえのない財産。失いたくないもの。これからもよろしくお願いします！とこの場で告白しておきます。

クライアント対応への不安を減らしたい、これから現場に出たい、もっと自信をもって様々な現場にいけるようになりたい方にもCLOプログラムの受講をおすすめします。CD状態にあるクライアントの基礎知識講座も定期的に開催しています。

吉村あきこ