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法人化のメリット・デメリット〜片づけ収納のプロの働き方


代表理事 髙原真由美
代表理事 髙原真由美
先週の振り返り会でお伝えした個人事業主の法人化について、少しここでも追加でご紹介しておきます。

片づけ収納の仕事は圧倒的に女性が多く、40代前後のこどものいる人の割合が非常に多いのが現状です。大きな資金がなくてもはじめられる仕事ですので、いきなり法人をつくってはじめるというケースは少なく、ほとんどの人が個人事業主として開業しスタートします。

ただ、本業として経済的に自立することを前提とし、本格的に開始したい!と強い気持ちをもってはじめる場合は、法人をつくりスタートするというのもひとつの方法です。

メリットとして、

・信用を得やすい

・資金を集めやすい

・利益が大きくなった場合の節税効果

の3つが一般的にあげられる項目です。

個人的には、現状、個人事業主が多い業界なので、法人というだけで選ばれることがある、というのが最大のメリットだと考えます。 確実に取引先は増えますし、仕事の幅が広がることは間違いないでしょう。今後はインボイス制度なども大いに関係してくると思われます。

そのため当初より事業の拡大を考えるなら、最初から法人化するのもおおいにアリですし、個人事業主からの法人化も検討の余地はあるでしょう。

 

ただ当然、

・お金がかかる(設立時も設立後も)

・事務作業が増える

・法人のお金を自由に使えない(経費は可)

といったデメリットがあります。

 

デメリットを上回るメリットを得られそうにないというなら、個人事業主での働き方が合っているということです。

過去に何回も、 「個人事業での売上がいくらになったら法人化したほうがいいとかありますか?」 と聞かれたことがありますが、答えは「人によって違う」です。 一概に〇〇万円になったら法人化が正解、なんて答えはありません。 税制上の目安はありますが、正直、売上ゼロでも1,000万円でも、上述したようにデメリットをメリットが上回ると判断するなら法人化すべし、というのが個人的な見解です。

 

法人の種類はいくつかありますが、片づけ収納のプロとして活動していくことを目的とする場合は、株式会社が一般的でしょう。株式会社設立時の費用は現在、法定費用として242,000円かかります。(資本金により多少異なります。)

法定費用というのはいわゆる実費のことで、自分で登記したとしても必ず払わなければいけない金額です。(電子定款にすると印紙代40,000円が不要となるようですが、作成には専用機器が必要になるため専門家に依頼せずには作成できないようです。)

書類作成や登記を専門家に依頼する場合は、プラスアルファのお金がかかりますが、最近では上記電子定款との差額で代行します、なんて業者もあるようで、今は専門家に依頼するほうが安上がりですし、手間も省けますし、何より安心でしょう。

 

ちなみに登記とは、定款(ていかん、と読みます。会社の憲法とよばれる書類でこんな会社ですと説明するルールブック的なもの)という書類を作成し、公の書類として認めてもらうための手続きとして公証役場で認証してもらい、その書類を法務局に提出し登録してもらう、という手続きです。

公証役場で92,000円、法務局で登録免許税として150,000円を支払う(自分自身で行う場合)のですが、別途、定款に押印する法人用の印鑑代や、必要書類(個人の印鑑証明とか)を取得するための費用など、諸費用も別途必要になります。

余談ですが、なんとなく法人設立時にセットで作る印鑑セット。角判(認印)、実印、銀行印の3本セットですが、絶対に必要なのは実印だけです。ただ運用面では分けておくほうが安全ということで、3本セットがポピュラーですが、一人社長だと実印だけで十分かもしれません。印鑑レスの時代になってきていますので。

 

昔と違い、資本金0円でも法人はつくれますので、株式会社設立に必要な費用は約30万円程度となります。

設立後に必要となる費用として、代表的なのが法人住民税です。赤字でも支払う必要がありますが、その場合でも一年間で7万円(資本金1,000万以下の場合)なので大きな問題ではないでしょう。

大きな課題はやはり社会保険(健康保険と年金)です。 一人社長でも最近は加入が義務付けられているので、最大のハードルはここかもしれません。もちろん個人事業主でも収入が多い場合、それなりの金額を支払われているはずですが、法人負担分は盲点だったりします。スタッフを雇用する、という場合は特に注意が必要です。また役所関連の書類もかなり増えます。

あとは、利益がものすごく増えたとしても、適切なタイミング以外での報酬額変更はできない(役員報酬は原則一年間は一律で、収益に連動して毎月、上げたり下げたりすることはできない。というか税金面で損することが多いので普通は行わない)など、個人事業主とは異なる部分がいろいろあるので、事前に違いを把握しておくことが重要です。

代表理事 髙原真由美
代表理事 髙原真由美
なんとなくデメリットのほうが大きく感じられてしまう書き方になってしまいましたが、それでも大きな野望のもと、しっかり仕事をしていこう!と決めているなら、私は法人化推奨派です。ぜひチャレンジしてもらいたいと思います。

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