日本ライフオーガナイザー協会

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JALO2019東京カンファレンス開催レポート(1)参加するとはっきりわかる!?ライフオーガナイザーと他の片づけ資格との違いとは?


代表理事 髙原真由美
代表理事 髙原真由美
タイトルの「参加する」にかかる言葉は、もちろんJALOカンファレンスです。JALO2019東京カンファレンスレポートを通じて、ライフオーガナイザーと他の片づけ資格との違いについてもお伝えしたいと思います。 

さて2019年のJALOカンファレンスはこちら、東京お台場にあります東京国際交流会館の国際交流会議場で開催されました。

そもそもJALOカンファレンスとは、協会設立日である12月1日前後に毎年行っている協会の年次総会で、全国のライフオーガナイザーたちが一同に会し、交流を深めるとともにスキルアップや今後の活動におけるモチベーションアップを目的とした協会会員向けの会合です。

こういった総会はどんな業種の団体でもだいたい行われていますが、うちのような小規模の組織にもかかわらず、英日同時通訳の講演があったり、毎年開催地が異なるカンファレンスを実施している協会はおそらく他にはないでしょう。(過去の各地で開催されたJALOカンファレンスレポはこちらからご覧いただけます。)

会員数が最も多い関東エリアで、わざわざ海外からゲストなんて呼ばず、国内のいろいろな業界の専門家を招聘し、もっと気軽に参加できる価格で行う、というのが一般的かもしれません。

でも設立当初より、ライフオーガナイザーという片づけのプロを職業として確立していくためには、日本ライフオーガナイザー協会はプロフェッショナルの集まりとなる必要があり、そこに集うみんなが自分の仕事に誇りをもち、常にスキルアップをし続け高いクオリティのサービスを提供していける、そのモチベーションを維持できるような仕組みが必要だと考えたため、海外の協会、主にNAPOのカンファレンスに倣って、JALOカンファレンスとして行おうと決めました。

そのため会員数の少ない時期から、身の丈以上のプログラム構成で、懇親会も「自分へのご褒美」「いつか参加したいあこがれの場所」的な、そんな場となるようそれ相応の会場で行うことにこだわっています。

JALOカンファレンスには毎年テーマが設定されており、今年は、
「Sustainable connections〜ゆるやかなつながりを持ち続けるために」です。

協会設立後10年が経過し、当時とくらべるとライフオーガナイザーの活動範囲や認知度、社会的な関わり方も大きく変化しています。これからの10年の協会とライフオーガナイザーの在り方をイメージしたとき、大切なことは「ゆるやかなつながりを持ち続けること」であり、ゆるやかにつながっていられるコミュニティこそ、人生100年時代に求められるものだと考えました。

片づけのプロとして仕事をしていくうえで、業務上のサポートを気軽に頼める仲間がいること、困ったときに相談にのってもらったり、スキルアップの指南をしてもらえる先輩や、頼ってもらえる後輩の存在、仕事抜きでとにかく楽しめる時間を共有できる人たちがいること。

頻繁に連絡せずとも、疎遠になるわけでもなく、必要に応じ気楽に連絡がとれる関係性、ときには愚痴ったり、プライベートなことの悩みを打ち明けられる。普通の友だち同士でもなく、単なるビジネスパートナーでもない、友だちとビジネスパートナーの間のような存在が集まる、ときには熱く関わり、距離をおきたいときには遠目で眺めることもできる。楽しいだけでなく、つらいこと、うんざりすることがあっても仕事に真摯に向き合う、そんなプロフェショナルが集まる場所。

そんなコミュニティを目指したいという思いのもと、リアルに「つながる」ことができるよう、分科会は少人数でのプログラムとしたり、初参加の人でもアウェイな空間にならないような仕掛けをしました。

初日最初のプログラム、基調講演は、
「人生100年時代にゆるやかなつながりを持ち続けるために〜バーチャルオーガナイズの可能性」
とのタイトルのもと、この道25年!米国のベテランオーガナイザー、シーラ・デルソンさんにお話いただきました。

実はシーラさんの来日は二度目。2011年に福岡で開催したカンファレンスに来ていただいたのが最初です。

このときは、「ADHDの二人の息子を育てた経験をもつプロのオーガナイザーが語る家族みんなが心地よく暮らせる片づけの仕組みづくり」というタイトルでお話いただきました。シーラさん自身もADDとのことで、ご自身の経験とプロのオーガナイザーの立場の両方から、非常に興味深いお話をしてくださったことを覚えています。

基調講演の後は昼食なのですが、今回はリアルに「つながり」をもてる仕掛けのひとつとして、ネットワーキングランチタイムとしました。

慢性的に片づけられない方をサポートするためのプログラムを学んでいるこのCLO(シーエルオー)メンバーと海外ゲストとのランチミーティングは毎回恒例なのですが、その他にも、お申込み時に「会いたい人・話したい人」のリクエストを受付、協会本部のほうでマッチングし、そのメンバー同士でランチを楽しむ、という試みを行いました。

大人数が参加するイベントって初参加のときや、あまり知っている人がいない場合、自由にランチタイムをお過ごしください、なんて言われると結構辛くないですか?

私は結構おひとりさま上手(笑)なので平気なほうですが、それでもなんとなーく居づらかったりすることもあります。ましてや苦手な方にとっては苦痛だったりすることもありますよね。そのため6会場にそれぞれ、どこで誰とランチするのかをグループわけ。できるだけしっかりつながりがもてるよう、少人数でランチを楽しめるようにしました。

これはランチ後の会場別(一部のみ)の写真ですが、かなり盛り上がったようですね!このグループわけリストを作るの、地味に準備が大変だったので、頑張った甲斐もあるというものです。

昼食後のプログラムはパネルディスカッション、
「人生100年時代の「Aging(エイジング)」を考える~シニア層のクライアントへのサポートと、自分や家族のエイジングのためにも知っておきたいこと」というテーマで、2つのトピックに対してのディスカッションを行いました。

1つめは、シニア層のクライアントへのサポートについて。
少子高齢化社会が進む日本において、クライアントとしてのシニア層へのアプローチは重要であるため、 シニア層のクライアントへのサポート時に知っておきたいこと、また効果的なアプローチ法とは?といったこと。

2つめは、クライアントだけではなく、自分自身のエイジングへの向き合い方について。
年齢とともに変化する働き方や家族との関係性、「介護」や「死」との向き合い方について、片づけのプロ以外の専門分野をもつオーガナイザーをまじえ議論しました。

日本人オーガナイザーからは左から、秋山陽子さん後藤邦江さんみやざきかずよさん宮本万里さんに登壇いただきました。

その後は5つの会場にわかれて分科会。

1)「LOとソーシャルワーカーの連携について考える〜生活環境を整える必要性を補助線として」

NPO法人Social Change Agency代表理事であり、社会福祉士の横山北斗さんに講師を担当いただきました。

2)「2018年度最も輝いていたLOとしてシャイニングスター賞を受賞した2名に聞く 出版に興味がある人必聴! 出版までの道のりとその後のリアル」

下村志保美さんと香村薫さんに担当いただきました。

3)「売り込まない集客の基本」

有限会社リウム代表取締役マーケティングコンサルタントの穂口大悟さんに講師を担当いただきました。

4)「使えるオーガナイズグッズ最新情報P-TOUCH/ScanSnap商品紹介と体験会」

ブラザー工業株式会社さんと、株式会社PFUさんにご協力いただきました。台湾人オーガナイザー5名、香港人オーガナイザー1名、中国人オーガナイザー16名も参加するグローバルな分科会に!

5)「ビギナーズセミナー短縮版」

オーガナイズサービスの現場作業における不安の解消や、現場にデビューしていただくことを目的としたビギナーズセミナーという講座を、全国の認定トレーナーが各地で開催していますが、地域やタイミングにより受講がかなわない方のために今回、短縮版ビギナーズセミナーとしてはじめてカンファレンスで行いました。講師は吉川圭子さんに担当いただきました。

初日、最後のプログラムは「高齢のCDクライアントの健康と生活上の問題について理解する」というもの。

CDとはChronic Disorganizationの略称で、慢性的に片づけられない状態という意味です。対義語としてSD=Situational Disorganizationがありますが、これは「ある状況」がきっかけで片づけられない状態になることで、いわゆる一般的に片づけられない状態を指します。

  • 長い間片づかない状態が続いている
  • 片づかないことで日常生活がうまくまわらない
  • 自分で片づけてもうまくいったことがない

上記3つのすべてに該当する場合、CD状態であると考えられます。その背景には脳の働き方のくせ、脳の機能障害、(二次障害として)精神の障害などが原因となっている可能性があり、「CDタイプ」のクライアントには、一般的なクライアントとは有効なアプローチの方法が異なります。

このCDタイプの方に効果的な手法を研究している団体、米国のICDと弊協会は2011年に提携し、カンファレンス以外でも専門的なプログラムを提供していますが、その団体の現在の会長がこちらのアリソン・ラッシュさんです。ちなみに基調講演を担当いただいたシーラさんもICDの元会長。JALOカンファレンスでは2010年から、このように非常に専門的なプログラムも学べるようにしています。

今でも「片づけや整理収納に脳の働きなんて関係あるの?」とか「難解でちょっと苦手な分野」「そのタイプのクライアントを対象にしていないので関係ない」などといった感想をいただくことがありますが、慢性的に片づけられない方だけではなく、それ以外のクライアントへのサポートにも非常に役立つ知識ですし、知らないことでトラブルとなるケースは多く、つい先日もクレームに発展してしまった案件の話を耳にしました。

ライフオーガナイザーと他の片づけ資格と大きく違うところ、それは「人」を主役とした片づけ法を学び、クライアントに合った方法をみつけだしサポートすることを最重要視していること、クライアントの幸福度を向上させることを目指し活動しているところです。そしてそのために、まずは自分自身が幸せで満たされていると思える環境を構築することを大事にしているところでしょうか。

本協会の理念は、「もっと楽に、もっと生きやすく 」
ライフオーガナイズにより、捨てるからはじめない心地いい暮らしづくりを応援するライフオーガナイザーを職業として確立することにより日本人の幸福度を向上させる

はい、壮大なのです。(笑)

同じような志を持ち活動する、他の片づけのプロも増えてきているようですが、それは資格認定講座で学んだことや身につけたことではなく、個々人の判断でしょう。でもライフオーガナイザーは、本人が望む望まないにかかわらず、協会としてこれをスタンダードとしているところ、そこが最大の違いだと思います。

JALOカンファレンスもこういった協会が目指す先に進むための手段のひとつであり、とても大切にしているものなのです。JALO2019東京カンファレンス開催レポート(2)に続く。
代表理事 髙原真由美
代表理事 髙原真由美

ライフオーガナイズ?ライフオーガナイザーって何?という方はライフオーガナイズ入門講座の受講をおすすめします。 ライフオーガナイザーに興味がある、という方は、ライフオーガナイザー2級資格認定講座の受講を、ライフオーガナイザーとして活動したい!という方は2級受講後、ライフオーガナイザー1級資格認定講座を受講ください。ライフオーガナイザー資格認定講座の詳細や協会概要についての資料請求はこちらから。


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