吉村あきこ

CLOプログラムディレクターの吉村あきこです。CLO資格認定プログラム受講メンバー（ICD会員）のみが参加可能なオンラインウェビナーに登壇しました。

ライフオーガナイザー1級資格取得後、協会会員のみがさらなるスキルアップのために受講できる専科資格の１つに「CLO資格認定プログラム」があります。慢性的に片づけられない人をサポートするための専門的な知識を得られる専科講座で、米国の研究団体（ICD）の最新プログラムを日本語で学べる特別なものです。

受講開始すると、日本語に翻訳された40以上の動画・音声プログラムの他、ICDがほぼ毎週開催しているウェビナーに参加することができ最新の情報や研究を学ぶ機会があります。 現地のプログラムなのでもちろん英語ですが、月に1度、プロボノの通訳の方に入っていただき、日本語で学べます。

いつもは英語でプレゼンされるものを通訳していただくのですが、今回はCPO-CD®として日本での現場や日本人オーガナイザーのアプローチについて話してほしいということで登壇することとなりました。

私がお話したテーマは「Unlocking Flexible Thinking（柔軟な思考を解き放つ）」です。

ICDが開発したファクトシート*のもと、片づけられない状態となる要因の中から自己やモノに対する考え方・信念について触れ、どのようにプロとして対応する方法があるかについてお話させていただきました。（ファクトシートは英語で作成されたものが7カ国語に翻訳されていて、日本語でも利用することができます。ICDのウェブサイトからどなたでもダウンロードできますのでご覧ください、）

ファクトシートによると片づけられない状態となる要因には主に、
「脳の働きに起因する症状」
「自己やモノに対する考え方」
「状況的な要因」
があり、どの要因がクライアントに影響を与えているかを特定することで解決策を見出すことができます。今回は、要因の中でも「自己やモノに対する考え方」に焦点をあててお話ししました。

自己やモノに対する考え方には、「完璧主義」「モノに対する執着心」「考え方・態度」「モノに対する非効率的な考え方」が例として挙げられていて、どの要因が影響しているかを知る手段の一つとして質問の使い分けをご紹介。

たとえば、「どのような時に片づけがうまくいかないと感じますか？」といった現状を明確にする質問や「片づけがうまくいかないと感じる理由は何だと思いますか？」といったクライアントの思考プロセスを理解する質問、「片づけを考えるとき、どんな気持ちになりますか？」といった感情を探る質問をすることで、オーガナイザーがクライアントの考え方を知るだけでなく、クライアント自身も自分の考え方のクセを見つめ直す機会となります。

ウェビナー終了後、参加した日本のCLOプログラム受講メンバーからは、日本人特有の文化や価値観が片づけられない状態に影響していると感じたと感想がありました。ファクトシートは海外のデータによって作られた資料なので海外での恥や完璧主義、モノに対する執着心についてもっと知りたいと感じました。

今回はICDでも初の試みとなる、日本語の私のセミナーを英語に通訳していただいての発表ということで、最初少しZoomの通訳設定等の問題で英語通訳者の声が聞き取りにくい部分があったようですが、大きなトラブルなく無事終えることができ安堵しました。

CLO資格認定プログラムは、これから現場に出たい、もっと自信をもって様々な現場にいけるようになりたい方にも受講をおすすめします。年2回募集を行っており、次回募集は10月を予定しています。詳細は資格の案内ページをご覧ください。

吉村あきこ