日本ライフオーガナイザー協会

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ドイツの片づけ収納の専門家のポッドキャスト番組「Ordnung trifft」に登場


代表理事 髙原真由美
代表理事 髙原真由美
ドイツの片づけ収納の専門家のポッドキャスト番組「Ordnung trifft」からインタビューのオファーがあり登場、その音声が配信されました。 

といっても、サイトはドイツ語で、私の音声は拙い英語のため、内容をお伝えするのが難しく…。そのためここでは日本語で簡単に紹介させていただきたいと思います。

きっかけは、片づけのプロの協会の国際連盟(International Federation of Professional Organizing Associations:略称IFPOAI)つながりと、TEDxに登壇したことから。

運営者のVerenaさんは英語も堪能な方ですが、さすがに私の英語力で対談形式でお話するのはハードルが高いということで、事前に英語でいただいた質問に対し、拙い英語で回答した音声を送るという形で対応することになりました。はい、ドイツ語は全く話せません。

質問事項は大きく3つ。意訳ですが私の話した内容とともにご紹介します。

Q1:まず、あなたのことについて伺いたいです。ライフオーガナイザーとなった背景やそれまでのキャリア、学歴、今に至るまでの経緯やストーリーを教えてください。

はじめまして、高原真由美です。
私は日本で初めて片づけのプロを育成する協会として、2008年に日本ライフオーガナイザー協会を設立し、現在も代表をつとめています。

私は大学卒業後、百貨店に入社しインテリアコーディネーターの仕事をしていました。その中で、片づけ整理収納にお悩みの方がある一定数いるものの、当時はその課題解決を担う存在がいなかったということ。そしてもう一つ、実は私自身も片づけが大の苦手だったということ。共働きで家事育児に追われた忙しい日々の中、休日は片づけに明け暮れ、さらに片づけが原因の夫婦喧嘩が増えてしまったという、この2つのことがきっかけとなり、片づけ収納に関しての調査研究を開始しました。
今から20年前、2003年のころの話です。

当時も家事代行型の片づけサービスは存在していましたが、代行=代わり、「捨てれば解決」みたいに、それができれば苦労しないということばかりでした。
だから、自分たちのライフスタイルや、大事にしているコトやモノ、価値観などをしっかり聞いてくれた上で、それをベースにどうすれば片づけ収納のストレスが減るのか、具体的に何をどこに配置し、どんな収納用品を使えば使いやすく戻しやすくなるのか、また空間の片づけだけではなく、時間の使い方や情報の管理といったことまで、暮らしや人生そのものを整えるサポートをしてくれるプロを求めていました。

そして2005年に書籍でアメリカの片づけ収納のプロ、プロフェッショナルオーガナイザーという職業に出会いました。
早速日本に広めたい!と思ったものの、自分だけがその知識と技術を習得し起業後一人でがんばり続けたとしても、サポートできるクライアントには数限りがある。従業員を雇うにしても、人材育成には時間と労力、そして何よりお金がかかります。当時、普通の会社員として働く私は「人・モノ・金」、なんのリソースもありませんでした。

そこで、自分と同じようにサポートできる仲間を増やす方法はないのか?ということからひらめいたアイデアが協会を設立しライフオーガナイザーを育成する、そして資格取得後の支援も行うことで、片づけに留まらない暮らしを最適化するためのサービスを提供しつつ、そのサービスの品質を担保する仕組みを作るというものでした。

Q2:次は日本の片づけ収納の仕事の歴史的背景や、あなたが影響を受けたことがら、日本とドイツの文化の違い、この仕事のやりがいについて教えてください。

日本で片づけ整理収納の必要性が一般的に認知されたのは1990年代のはじめ。ある経済学者の本(『超』整理法」)がベストセラーになり、整理をするためにはその方法を知る必要があるという考えが普及したことがきっかけです。
それまでは、「整理」という言葉は「掃除」とほぼ同義語として扱われており、家事や掃除のマニュアル本に若干ページだけ紹介されているという程度で、当然書店には「片づけ整理収納」というカテゴリーは存在していませんでした。

同時期である1990年代半ば以降、他国と同様に片づけ整理収納業界のパイオニアといわれるカリスマがメディアに登場。 いかに多くの物を上手に収納するかを競うような、隙間収納・収納テクニックブームとなりました。

しかし2000年代に入り、それまでの収納ブームの反動か、今度は別の潮流がやってきました。「『捨てる!』技術」という書籍がベストセラーとなり日本に「捨てるブーム」が到来しました。日本人独特の感性である「潔さ」というポジティブな要素をミックスさせたものとして広まり、米国で提唱され世界的ブームとなった「ミニマリスト」もこの流れを汲み浸透していったものと思われます。

日本人にとってドイツ人は、必要な物だけを所有し合理的でミニマリストなライフスタイルを送る国民のイメージでしょうか。ミーレの食洗機などは、デザインも性能も日本人にも大人気です。ドイツ人にとって、日本も同様なイメージを持つ人もいるかもしれませんね。でも日本に来られたことがある方ならご存知でしょうが、私の動画でもお伝えしたとおり、日本は世界一片づけ難易度が高い国です。だからこそ、チャレンジングだといえ、やりがいを感じているわけです。

Q3:片づけ収納のプロ(プロフェッショナル・オーガナイザー)という仕事について。日本ではいつ誕生しましたか?日本にはどれくらいの人が住んでいて、この仕事をする人は何人くらいいますか?依頼はどの分野(例:ミニマリズム・クローゼット・デジタルオーガナイズetc)が多いですか?学べる職業ですか?近藤麻理恵とそのアプローチは、日本市場の発展をどのように支えましたか?

1990年代半ば、最初はテレビや雑誌に専門家として登場したのがはじまりです。一般的に認知されはじめたのは2000年代後半です。しかしながら当時日本では、家事代行サービスと混同されていたため、私が日本で初めてプロフェッショナル・オーガナイザー(ライフオーガナイザー)を育成する協会を立ち上げました。

日本の人口は約1億2,500万人で、現時点での正確なプロの人数はわかりません。私の独自調査では約1,000名程度と算出されていますが、副業などを含めるともう少し多いと思われます。今年のWODまでにアンケート調査を実施し、さらに精度の高いデータを取得する予定です。

依頼内容は様々です。エリア別(クローゼットとかキッチンとか)もあれば家全体という場合も少なくありません。発展途上なのは慢性的に片づけられない方へのサポートです。

すでに十数年のキャリアを持つプロも増えていますが、まだ一般的に認知されている職業というポジションまでには到達できていません。まずは誰でも気軽に依頼のできる職業として認知されることを目指しています。私は、2018年に業界団体として設立された日本片づけ整理収納協議会の代表理事の一人でもあるので、日本の片づけ収納のプロの総意といっても過言ではないでしょう。

日本の場合、むしろ教育分野としては成熟産業です。片づけ整理収納を学べる団体は35団体を超え、プロになるためのプログラム以外にも一般向けに学ぶためのプログラムも多数存在します。

近藤麻理恵さんとそのアプローチは、職業認知に一定の貢献をしたと思います。そのため私も感謝しています。ただ、彼女が有名人になったことと職業発展は比例しておらず、市場の発展はこれからだと考えます。

ありがとうございました。

前述したIFPOAに加盟する団体は現在12カ国13団体。そう、片づけられないというお悩みは先進国共通の課題です。片づけ難易度世界一!日本でのプロの需要はこれから益々高まります。この仕事に従事する人がもっと増えることを期待しています。
代表理事 髙原真由美
代表理事 髙原真由美

ライフオーガナイズ?ライフオーガナイザーって何?という方はライフオーガナイザー入門講座の受講をおすすめします。ライフオーガナイザーに興味がある、という方は、ライフオーガナイザー2級資格認定講座の受講を、ライフオーガナイザーとして活動したい!という方は2級受講後、ライフオーガナイザー1級資格認定講座を受講ください。


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