日本ライフオーガナイザー協会

日本ライフオーガナイザー協会

  • contact
  • members
  • shop

JALO公式ブログJALO’s Official blog

2025.07.02

ヒアリングとアセスメントの違いを学び、“訊く力”を育む〜CLOプログラム受講者メンバー6月勉強会


吉村あきこ
吉村あきこ
CLOプログラムディレクターの吉村あきこです。
脳の特性により慢性的に片づけられない人をサポートするための専門的な知識を得られる専科講座CLO資格認定プログラム受講メンバーの6月の勉強会が開催されました。その内容を藤山茜さんから報告いただきました。

CLO資格認定プログラムとは、 ADHD(注意欠如・多動症)・自閉スペクトラム症・ホーディングと呼ばれる溜め込み癖・脳の機能障がい等を一因として、慢性的に片づけられず日常生活に支障をきたしている状態(Chronic Disorganization=CD状態)の方のサポートに必要となる専門的な知識と技術を継続的に学ぶプログラムです。 >

このプログラムで学んでいるメンバーが月に1回Zoomで勉強会に参加しています。

今回のテーマは「訊く」「質問」。 ヒアリングとアセスメントの違いや、クライアントと向き合うための“質問の力”について、実践や対話を通じて学びを深めました。勉強会では、集まったメンバーそれぞれが、現場で「訊く」ことや「質問する」ことについて感じていること、心がけている工夫、活用しているツールなどを持ち寄り、自由に語り合いました。
藤山茜
藤山茜

そもそも、ヒアリングとアセスメントってどう違う?

まずは、吉村あきこさんが作成した資料をもとに、ヒアリングとアセスメントの違いについて整理しました。

ヒアリングとは:

クライアントの価値観・理想・困りごとなど、主観的な情報を“訊く”行為。

「どんな暮らしがしたい?」「何が気になっている?」など、クライアントの語りに耳を傾けます。

アセスメントとは:

ヒアリングで得た情報や現場の写真・物量の把握などをもとに、客観的に状態を評価・分析する行為。「何が、どこに、どれくらいあるか」を私たちの視点で“読む”行為とも言えるかもしれません。

ヒアリングとアセスメントは、支援の土台をつくる連続したプロセス。どちらも欠かせません。

そのはじまりにある「訊く」という行為の在り方を、今回はさまざまな角度から掘り下げていきました。

“訊く”ことの奥深さ──「動機づけ面接」からの学び

支援の現場では、「どう訊くか」がクライアントとの関係性を大きく左右します。

この日は“動機づけ面接(Motivational Interviewing)”という支援技術にも話が及びました。

たとえばこんな違い:

✖「お酒をやめた方がいいですよ」

◎「このままお酒を続けると、どんなことが起きると思いますか?」

 

“答えを与える”のではなく、“自分で気づけるよう促す”問いかけ。CLOとしての支援においても、相手の意思を尊重した質問のあり方は大切だと感じます。

ただし、動機づけ面接は本来カウンセリングの技術であり、私たちの役割を踏み越えないよう、エッセンスだけを活用する意識も必要です。

インタービジョンの可能性──「答えを出さない」問いの練習

後半では2023年のJALOカレッジでも紹介された「インタービジョン」という手法の話しもありました。

「こんな時どうする?」 アドバイスや感想で終わらない俯瞰力・対応力を高める 新しいグループ事例検討のカタチ ”Intervision-インタービジョン”ワークショップ」〜JALOカレッジ7月講座開催しました

インタービジョンは、小グループでの事例共有と対話の手法で、「答えを出す」のではなく「問いを投げかける」ことを大切にします。

インタービジョンの目的は、提供者が「自分はこのケースをどう感じたか?」に気づくこと。

参加者は「視野が広がる質問」を投げかける役割です。「問い」を考える訓練として、CLOとしてもとても意義深いと感じました。

吉村さんからは「秋くらいには勉強会でも体験してみたいですね」とのお声も。

最後に:訊く力を育てるということ

最後に、「質問力をどう磨いていくか?」についても話し合いました。  

メンバーから出たアイデアの一部をご紹介します。

  • 本を読む(『対人援助の作法』など)
  • ヒアリング練習を録音し、自分の質問の癖を振り返る
  • ChatGPTなどAIを活用し、自分の問いを客観視する
  • 相手に“興味”と“敬意”を持ち続ける
  • 事実と感情を分けて訊く練習を重ねる

質問はスキルであると同時に、姿勢でもある。  

だからこそ、“正しさ”ではなく、“関心の深さ”を大切にすることが、結果として良い問いにつながるのだと感じました。

藤山茜
藤山茜
私自身も改めて「訊く」という行為の奥深さに気づかされ、日々の関わりの中でどう実践していけるかを考えるきっかけとなりました。「訊く」という行為には、その人の暮らしに寄り添う力があります。  答えを引き出すためではなく、相手の中にある答えを“思い出してもらう”ための質問。CLOとしてできることは、支援の場で日々問い続けることなのかもしれません。

参加メンバーのすでに公開されている発信をご紹介します。

花村久美子さん「「本当はどうしたい?」に寄り添う片づけサポート—ライフオーガナイザーの“訊く”を考える

吉村あきこ「どんなことを意識して質問していますか? CLOメンバー勉強会

 

クライアント対応への不安を減らしたい、これから現場に出たい、もっと自信をもって様々な現場にいけるようになりたい方にもCLOプログラムの受講をおすすめします。次回の募集は10月を予定しています。
吉村あきこ
吉村あきこ

ライフオーガナイズ?ライフオーガナイザーって何?という方はライフオーガナイズ入門講座の受講をおすすめします。 ライフオーガナイザーに興味がある、という方は、ライフオーガナイザー2級資格認定講座の受講を、ライフオーガナイザーとして活動したい!という方は2級受講後、ライフオーガナイザー1級資格認定講座を受講ください。
ライフオーガナイザー資格認定講座の詳細や協会概要についての資料請求はこちらから。


タグ

Copyright 2008-2025 Japan Association of Life Organizers. All Rights Reserved.
TOPへ