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自身の仕事のバウンダリー(境界)決めていますか?〜CLOプログラム受講者メンバー7月勉強会

脳の特性により慢性的に片づけられない人をサポートするための専門的な知識を得られる専科講座CLO資格認定プログラム受講メンバーの7月の勉強会が開催されました。その内容を福田麻美さんから報告いただきました。
<CLO資格認定プログラムとは、 ADHD(注意欠如・多動症)・自閉スペクトラム症・ホーディングと呼ばれる溜め込み癖・脳の機能障がい等を一因として、慢性的に片づけられず日常生活に支障をきたしている状態(Chronic Disorganization=CD状態)の方のサポートに必要となる専門的な知識と技術を継続的に学ぶプログラムです。 >
このプログラムで学んでいるメンバーが月に1回Zoomで勉強会に参加しています。
私はCLOプログラムの学びの中で、この言葉に初めて出会いました。そして、この言葉をライフオーガナイザーという職業を選んだ皆様に知ってほしいと思っています。なぜなら私はこの言葉を知り学んだことでライフオーガナイザーとして働く上での自分軸ができたからです。

「バウンダリー」とは境界線のこと
CLO資格認定プログラムは動画・音声視聴が用意されていて、いつでも自分のペースで学ぶことのできます。プログラムの中のCD分野でバウンダリーについて学ぶことができます。
私なりの解釈で簡単にバウンダリーを説明すると、自分とお客様との間に引く線。
線のこちら側の事柄は全力でサポートしますが、線の向こう側には踏み込まない。向こう側の事柄が、専門職が必要なことであれば専門職に繋げ、自分へ心身の負担を与えない・抱えない。言動・行動の指針を定めておくことでお客様と自分の安心安全につながります。
例えば、オーガナイズの現場で何か物の修理を頼まれたとします。その場で検索してみたら私にも修理をすることができそうだ。はいそれ、引き受けますか?簡単そうなことならつい引き受けちゃいませんか?
引き受けて破損しちゃったら?修理がうまくできたとして、その後はなんだか便利屋さんみたいになってしまったら、、、ううっ~とジレンマ。
でも、前もってオーガナイズ以上のことはしないと、自分の境界線を決めておくと、「私はお手伝いはできませんが、どこどこ(誰々)なら修理やってますよ。」と迅速に専門職につなげることができます。
しかし、私のように別の資格をもち、LOと別資格を融合させたサービスを届けたいとなると、どこにどう境界線を引くか迷走します。過去には、まだ新鮮な情熱と想定されるリスクの間で迷いすぎて、前に進めなくなっていたことがありました。
それを解決してくれたのがこの「バウンダリー」の学びです。
現場あるあるから学ぶ境界線(バウンダリー)
CLOの勉強会の中では、大半のLOがきっと「あるある~」と言ってくれそうな内容があり、バウンダリーを学んだ後に私が用意した対策も交えて、先日のCLOプログラムの勉強会の様子をお届けいたします。
ケース1 ヒアリングで涙ぐむクライアント
思考の整理からはじめるライフオーガナイザーは現場作業の前にじっくりお話を伺う時間があります。
話を伺っていて家族の悩みが片づけに向かう気持ちに影響していると感じた時、理由をうまく聞けず気持ちを引きだせなかったのが心残り。心の整理につながるようなサポートをしたいと考える私はバウンダリーを超えようとしているでしょうか?
まさに現場あるあるではないでしょうか?
悩みを解決できたら片づけられるケースもあるでしょうし、踏み込む領域ではないお悩みの場合もあるし、物理的な片づけを進める中で気持ちも一緒に片づけられる場合もある。
正直この問いに答えを出すのは難しいです。しかし、ライフオーガナイザー側の質問の仕方を、はい・いいえで答えられるクローズクエスチョンから、自由に答えてもらうようなオープンクエスチョンに変えることはできるねというシェアができました。質問の仕方を変えると、クライアントさんも話やすくなったりしますね。

絶妙な塩梅はクライアントさんに合わせてみんな毎回手探りですが、勉強会でシェアすることで、次回トライしてみたくなる方法を必ず見つけ出すことができています。
ケース2 クライアントの期待にもっとこたえたい!
クライアントに対してお節介というか、必要以上に期待に応えたいみたいな所がありました。フレンドリーな態度で来られると無下にできない性分なんです。でも今は、自分の性分を理解したからこそ、最近はお互いのためにあるべき姿を見極めようという気持ちも目覚めてきました。
クライアントさんのご厚意を受けたとき、すごくいい人でもっとお役に立ちたいと思ってしまった時など、必要以上についサービスしちゃったりして、、、ってないですか?私は、過去の現場で思い当たることばかり。
ここにもどこまでどんなサービスを提供するのかといった境界線と合わせて、前もっての準備が必要でした。
たとえば、クライアントさんの人の良さや親切にサービスで返したくなる場合は、サービスメニューを先に作っておくことで突発的で過剰なサービスをせずに対応することができます。
ここだけの話、まるで現場で思いついたかのように「次回のご予約をいただいたらサービスで5パーセントオフしますね。」なんて、次のお約束にも繋げる声のかけ方をちゃっかり用意しちゃっているわけです。
こんな風に用意しておくと、クライアントさんを無下にはしたくないと思った自分の心も満たすことができるようになりました。
ケース3 かけあわせている資格・スキルとライフオーガナイザーの境界
別資格の専門職としての領域と、ライフオーガナイザーとしての領域は自分の中では境界線を引いているつもりだけど、実際は境界を越えた内容を提供してしまうことがある。 目に見えない境界線を自分の意識に頼らず認識するためにどんな工夫をしているか?
私もこれが一番の悩みでした。まさに理想と現実との間に不安が生まれ立ち止まったままの片づけられないクライアントと同じ状況。この悩みを解決してくれたのは「バウンダリー」境界線を明確にすることでした。
私の場合は介護福祉士の資格を持ち訪問型の経験があるのですが、ライフオーガナイザーの資格とどんな風にかけ算していくか悩みの沼にはまって動けなくなってしまいました。
私がオーガナイズの現場で介護での経験を活かしたいこと、できることというと、
- 家族のための片づけ(介護のためのスムーズな動線作りと必要な物品の管理など)
- 要介護者のための片づけ(自分でできることをスムーズに安心安全に行うための仕組み作りなど)
- 介護予防の片づけ(室内のリスク回避やフレイル予防の環境整備など)
- これまでの事例や経験を活かした提案、リスクマネジメント
- 歩行介助や車椅子への移乗介助で、片づけたい場所への移動。
- 聴覚や視覚障害の方とコミュニケーションを図る方法を知っている
などがありました。
しかし、これらの中にはライフオーガナイザーとしての領域を超えていることがある。けれどもそこを強みとしたい気持ちと曖昧さを解決せずにリスクを抱えたまま「ライフオーガナイザーの福田麻美です」と訪問するわけにはいかないと感じていました。
この悩みが解決できたのは、CLOプログラムを受講していたからこそのシチュエーションでした。
カンファレンスでの学び
2021年のオンラインカンファレンスでは、ICDのゲストとCLOプログラムメンバーのオンラインランチミーティングに参加しました。登壇者の海外ゲストにわたしの悩みを相談したところ、私のしたいと思っていることを「やるべき」と言ってくれました。そして融合したサービスでも、そこに資格の境界線をひけばいい。それをクライアントと共有できる手段を用意するといい。とアドバイスをもらいました。
その言葉に、目から鱗。鱗を目からぽろぽろ出したら思考が片づけられ、やることも見えてきました。
実行したのは契約書の改訂です。
思考整理・片づけの提案・サポートはライフオーガナイザーとしての提供です。活かしたいことできることに挙げた①~④までがそれに該当。そして、⑤と⑥はフリーランス介護福祉士としての提供です。といった具合に書面で明確しました。
おかげで、契約時にクライアントさんに具体的に説明をできるようになり、その安心感から自分自身が心地よく仕事ができるようになりました。
「バウンダリー」の学びは私とって効果絶大で、ケース2のようなちょっとした準備にも繋がりました。
それに、融合している中で境界線を引くなんて、、、と、境界線が自分とお客様の間にあるわけではないのだと気づきも生まれました。

皆さんはどこにどんな風に、安心安全な境界線を引いていますか?
機会があれば、ぜひ教えてください。
参加メンバーのすでに公開されている発信をご紹介します。
花村久美子さん「「どこまで頼んでいいの?」を解消する、“バウンダリー”というやさしさ」

ライフオーガナイズ?ライフオーガナイザーって何?という方はライフオーガナイズ入門講座の受講をおすすめします。 ライフオーガナイザーに興味がある、という方は、ライフオーガナイザー2級資格認定講座の受講を、ライフオーガナイザーとして活動したい!という方は2級受講後、ライフオーガナイザー1級資格認定講座を受講ください。
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