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2025.02.26

エアコンの電源が切れない?スウェーデン式終活から老いと向き合う勉強会〜CLOプログラム受講者メンバー2月勉強会


吉村あきこ
吉村あきこ
CLOプログラムディレクターの吉村あきこです。
脳の特性により慢性的に片づけられない人をサポートするための専門的な知識を得られる専科講座CLO資格認定プログラム受講メンバーの1月の勉強会が開催されました。その内容を参加メンバーの尾上今日子さんから報告いただきました。

CLO資格認定プログラムとは、 ADHD(注意欠如・多動症)・自閉スペクトラム症・ホーディングと呼ばれる溜め込み癖・脳の機能障がい等を一因として、慢性的に片づけられず日常生活に支障をきたしている状態(Chronic Disorganization=CD状態)の方のサポートに必要となる専門的な知識と技術を継続的に学ぶプログラムです。 >

このプログラムで学んでいるメンバーが月に1回Zoomで勉強会に参加しています。

今回は特にテーマを設けず、ゆるゆるとメンバーの近況報告や雑談から始まりました。
雑談といいつつその中で、私が投げかけた2つのトピックについてご紹介します。
尾上今日子
尾上今日子

■認知症とエアコンのリモコン問題:情報過多が引き起こす混乱

最近、認知症を持つ方がエアコンのリモコン操作に困り、切りたいのに切れない、なので結果的に電源コードを抜いてしまうという事例について相談を受けました。
リモコンのボタンが多すぎて使い方がわからず、最終的にエアコンのコンセントを抜いたまま、使いたいときにコンセントを入れられず、動かせなくなってしまうというケースです。

また、その方の寝室が片づいておらず衛生面が悪化しているものの、「人に見られたくない」という気持ちから他人を入れることができないという問題もありました。

この悩みに対し、私はその場では答えられず、宿題にさせてもらっていました。
今回、介護経験豊かなCLOのメンバーから次のようなアドバイスと実例を話してもらいました。

〜エアコンの電源の入り切りができないことへの対策〜

  • ボタンを隠して情報をシンプルにする
  • 使用順序をメモや付箋で示す

多すぎる機能、複雑な調整などとにかく情報過多を解消していく

〜「人に見られたくない」という気持ちへの対応〜

  • 本人のペースを尊重する
  • 本人の見えないところで急激に変えない

という話を聞いてなるほどと思いました。

”認知症を持つ方が”ということではなく、自分がコントロールできないことへの不安を軽減する。日々の実践で培われたヒントに唸りました。安心して生活できる環境を整えるヒント満載の時間でした。

■スウェーデン式終活:「終いじたく」という考え方

先日行われたICDのウェビナーで取り上げられた「スウェーデン式終活「終いじたく」」について、残念ながら私は予定が合わず、この勉強会には参加できなかったのですが、CLOメンバーからシェアしてもらいました。
聞かせてもらいながら再度、このスウェーデン式の終活の本を読み返してみようとワクワクしました。

マルガレータ・マグヌセンさんの著書『人生は手放した数だけ豊かになる』(三笠書房)では、スウェーデン式終活が紹介されています。

スウェーデン式終活の特徴は

  • 家族への贈り物としての片づけ
  • 段階的なダウンサイジング
  • ポジティブな視点を持つ

日本の終活と異なり、スウェーデンでは「老後の準備=ポジティブなもの」と捉えられています。
そのため、「死の準備」というよりも、「自分が元気なうちに生活をシンプルに整える」という考え方が根付いています。

CLOメンバーのひとりが今回のウェビナーで印象に残った言葉「片づけは目に見えないご褒美。家族に特別なギフトを渡せる」を紹介してくれました。ネガティブなイメージがあまりないスウェーデン式の終活。素敵じゃないですか?

■CLO勉強会の価値

今回のCLO勉強会で、認知症による障壁への解決のヒントとスウェーデン式終活という二つのテーマを通じて、「老いと向き合う」ための学びを得ました。

CLOの勉強会は、単なる片づけのテクニックを学ぶことににとどまらず、
「片づけを困難にしている障壁」をあらゆる方面から考える場です。
介護や認知症当事者対応など、片づけの枠を超えた視点を持つことで、より深い理解が得られます。

また、毎回提供されるツールや学びのシェアは、実際のサポートの現場で役立つ「お守り」のような存在でもあります。
CLOプログラムと聞くと「難しそう」に思えるかもしれませんが、実は「親世代やシニア層の課題解決にもつながる奥深い分野」です。

尾上今日子
尾上今日子
今後もCLOの学びを活かしながら、幅広い視点で「暮らしやすさ」を支える活動を続けていきたいと思います。
CLO資格認定プログラムでは、クライアントが片づけやオーガナイズが難しくなる背景について幅広く学びます。同じような状況・困りごとであってもその背景は人それぞれ違うからです。一人で動画で学ぶだけでなく、この勉強会のようにお互いの話を聞ける機会が頻繁にあることがさらに視野を広げる機会になります。
吉村あきこ
吉村あきこ

参加メンバーのすでに公開されている発信をご紹介します。

尾上今日子さん「エアコンの電源が切れない?スウェーデン式終活から老いと向き合う勉強会
花村久美子さん「片づけが苦手な方を支えるCLOの学び

クライアント対応への不安を減らしたい、これから現場に出たい、もっと自信をもって様々な現場にいけるようになりたい方にも受講をおすすめします。6月開講分のお申し込みは4月上旬開始です。
吉村あきこ
吉村あきこ

ライフオーガナイズ?ライフオーガナイザーって何?という方はライフオーガナイズ入門講座の受講をおすすめします。 ライフオーガナイザーに興味がある、という方は、ライフオーガナイザー2級資格認定講座の受講を、ライフオーガナイザーとして活動したい!という方は2級受講後、ライフオーガナイザー1級資格認定講座を受講ください。
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