日本ライフオーガナイザー協会

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2023.05.19

「片づけられない」「物が多い」を客観的に評価するツール


吉村あきこ
吉村あきこ
片づけられない、物が多いというお悩みを数値化して客観的に把握するツールが開発されています。

ライフオーガナイザー1級資格取得後、協会会員のみがさらなるスキルアップのために受講できる専科資格の1つに「CLO資格認定プログラム」があります。慢性的に片づけられない人をサポートするための専門的な知識を得られる専科講座で、米国の研究団体の最新プログラムを日本語で学べる特別なものです。

慢性的に片づけられないCD(Chronic Disorganization)状態とは、長期間にわたって物や情報が整理されずに溜まり続け日常生活に支障をきたす状態を指します。一時的な乱れや散らかりとは違い持続的な問題であり、自分で片づけようとしたにもかかわらず改善しない場合があります。ADHD(注意欠如・多動症)、自閉スペクトラム症、ホーディングと呼ばれる溜め込み癖、脳の機能障がい等を一因として関与していることがあります。
(※ADD、ADHDを持つ人全てが片づけられないというわけではありません。)

片づけられない、物が多いとお悩みの方には、現状を客観的に捉えてできていること、サポートが必要なことを理解する必要があります。

「片づけられない」を分解して気づきを得るファクトシート

提携する米国の研究団体ICDが開発したツールを日本語で利用することができます。

掲載されている10の質問シートの中の1つ「あなたは慢性的に片づけられない(CD)状態にありますか?」では、20の質問に「はい」「いいえ」で答えていくことで、「片づけられない」というお悩みを分解して、できていること、うまくいっていないことに気づくことができます。

※あくまで現状を客観的にとらえて気づきを得るための質問シートであり、回答数によってCD状態であるかを診断するツールではありません。

物量が多い=モノ屋敷?

物の乱雑さと溜め込み状態を5つの異なるレベルで評価するためのクラター・ホーディング・スケールがあります。

テレビ番組やワイドショーで○○屋敷と表現される影響か、物量が多い=溜め込みと誤解している人も少なくありません。

クラター・ホーディング・スケールは、一般住宅の屋内をアセスメントすることを前提に作成されています。

「建物・構造および地域の規制」「ペットや害虫」「家庭内の機能」「衛生面と安全性」「個人の防護用具」の5つの評価のカテゴリーによって評価され、一番低いレベル1から複数の専門業者の介入が必要な重度のレベル5まで定義されています。一般的な片づけ整理収納のプロが対応可能な範囲はレベル1~2といわれており、レベル3以上になると医療や清掃業者など連携が必要です。

日本には溜め込み障害の対応を行っている医師は少なく、身近な人が溜め込み状態である可能性を受け入れるのは簡単ではありません。溜め込みを対応せずに放置すると、人間関係に問題を引き起こしたり、仕事や社会活動に支障をきたしたりするなど、多くの悪影響が生じる可能性があります。

また、物によるつまずき、火災、有害な細菌、ねずみや虫や動物の侵入など、家庭内の安全上の問題を引き起こす可能性があります。その時点に到達する前に、溜め込みの 5 つの段階を確認して状況を認識することにより、家族や身近な人を守り、介入すべき時期が来たかどうかを知ることができます。

その他、慢性的に片づけられない人へのサポート方法を知りたい方はJALOオンラインショップより書籍を購入いただけます。

吉村あきこ
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ご紹介したツール以外にも日本語訳されたツールが掲載されていますので、ぜひICDのウェブサイトをご覧ください。

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