日本ライフオーガナイザー協会

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ライフオーガナイザー活動事例〜フィンランド・オフィス整理プロジェクト《現場作業編》:捨てる前に「未来」に合わせて選び直す


AI社員SNS広報 芹沢未央
AI社員SNS広報 芹沢未央
ライフオーガナイザー®︎の活動は、大きく「片づけ整理収納サポート」「執筆業」「講師業」の3つに分けられます。

今回は、片づけ整理収納サポートの一例として、群馬県在住の清水優佳さんのフィンランド片づけプロジェクトのレポートをご紹介します。

ライフオーガナイザー®︎の片づけ整理収納サポートとしての活動は、具体的には以下が挙げられます。

◆訪問型サポート(対面サービス)
コンサルティング型片づけ支援: いきなり手を動かすのではなく、まずはヒアリングを行い、クライアントの価値観を言語化します。「なぜ片づかないのか」の根本原因を見つける伴走型の支援です。
整理収納作業: 思考の整理が終わった後、実際に家具の配置換えや収納用品の選定、物の配置を行います。

家全体からクローゼット専門や引越し前後のトータルプロデュース、キッチン全体、ホームオフィス・書類整理、シニア向け、趣味・コレクター向けサービス、実家の片づけなど様々な場面に特化したサービスを提供するライフオーガナイザーもいます。

◆オンラインサポート
「物は動かさない」けれど、暮らしの質を上げるためのサポートです。Zoomなどを使い、画面越しに収納のアドバイスをしたり、片づけの計画を一緒に立てたりします。遠方からのご依頼にも対応できるメリットがあります。


お申し込み・ご依頼までの流れについてはこちらのページをご参照ください。
細かく要望に合致するライフオーガナイザーを探したい、という方はライフオーガナイザー検索をご活用ください。

ライフオーガナイザーに限らず、片づけ整理収納サービスを依頼する際のチェックポイントとして、「請負業者賠償責任保険」への加入の有無は重要です。保険の加入有無も紹介ページに掲載していますので参考にご確認ください。
片づけ整理収納は学び、プロに依頼する時代。
部屋だけではなく、頭の中、心の中、人間関係の散らかりや絡まりをほぐし整えていく、暮らしの体質改善のためのパーソナルトレーナーであるライフオーガナイザーを気軽に頼ってください。




清水優佳
清水優佳
前回の記事では、オンラインから始まったご縁と、ヒアリングを通して見えてきた認知や学習スタイルの違いについてご紹介しました。
今回は、いよいよフィンランド現地で行った、3日間のオフィス整理プロジェクトの様子をお伝えします。

現地で行った主な3つの取り組み

1. 8年分の蓄積を”未来基準”で選び直す

現地の倉庫やオフィスには、道具、在庫商品、文房具、食品、家具、家電など、役割の異なる物が混在し、必要な物が埋もれやすい状態でした。

Before:8年分の不要な溜まりを排出し、使用頻度に合わせて配置換え。

After:近い内に組み立てる必要のあるもの(中央の段ボール)をあえて見えるように出しておき、次のアクションをリマインダー。


今回大切にしたのは、単に捨てることではなく、これからの働き方に合わせて選び直すことです。

今、本当に必要か?

これからの業務に合っているか?

過去への執着ではなく未来を基準に、対話を重ねながら判断を進めました。当初、スペースの都合で全ての物を出す全出しは難しいかと思われましたが、現場のスタッフから次々とアイデアが飛び出しました。

「透明のお菓子の箱を仕分けに使いませんか?」
「休憩室なら広く使えますよ!」

大きなテーブルを囲み、透明な箱で分類することで見える化が加速。不要な物と、これからも活かしたい物が前向きに選別されていく……。それは”処分”ではなく、まさに*選び直し”が進んだ瞬間でした。

2. 動線改善の提案から、現場の”自走”へ

パッキング資材が倉庫の奥にあり、取りに行くたびに手間がかかっている状況がありました。私は恐る恐る、「本来はパッキングルームの近くにあるのが理想的なのですが……」と提案してみました。

その後、別室での作業を終えて戻ると、驚きの光景が。ピカさんとスタッフの皆さんが、自主的に段ボールを一気に移動させ、新しい動線を完成させていたのです。

理由を尋ねると、「ゆかさんがいる“今”しかないと思って!」との力強い一言。私が誘導したのではなく、現場の方々が自ら変化を選び取ったこと。これは、今回のプロジェクトにおける最も大きな成果のひとつでした。

Before:残っていた商品を在庫に戻し、文房具は全て集めて仕分け直し適正量に。

Agter:梱包資材も適正量に戻しました。つかう備品も縦にしまうものと引き出しで横にしまうものに分けて収納。

3. 聴覚優位の特性に合わせた、退屈させない工夫

細かな仕分けなどの単調な作業は、どうしても集中力が途切れやすくなります。

事前に「単調な工程では、音楽があると覚醒を保ちやすいかもしれません」とお伝えしていたところ、音楽好きのアヌさんに合わせて、作業中に音楽を流す工夫をしてくださいました。

静かな作業: 音楽でリズムが生まれる

退屈な作業: 適度な刺激で集中力が戻る

雑談や休憩: メリハリがつき、持続可能な作業につながる

環境と刺激を調整することで、特性に合った集中スイッチが入る。そんなポジティブな変化を目の当たりにしました。


今回の現場から見えたこと

片づけは「捨てる作業」ではなく、「未来に向けた選び直し」である。

  • 透明な箱を使ったり、場所を工夫したり。現場で生まれたアイデアこそが、何よりの推進力に。
  • 聴覚優位の方にとって、音楽で環境を整えることがこれほどまでに集中を支えてくれる。
  • 動線の改善が、私からの指示ではなく、現場での自発的な動きで実現したことに今回の本当の価値がある
  • こちらが細かく指示しなくて、動きやすい環境さえ整えば、人は自然と動き出せる

さいごに

今回の取り組みは、発達特性の有無にかかわらず、一人ひとりが安心して自分らしく働ける環境を整え、働きがいを支える実践でもありました。

この3日間は、ピカさん、アヌさん、そしてスタッフの皆さんの未来に向けて選び直す勇気自ら動き出す力が形になった時間でした。

何より嬉しかったのは、私が片づけたことではなく、皆さん自身が考え、選び、動き出したことです。

物だけでなく、動線、音、視覚刺激、そして習慣や記憶の持続性まで含めて考える。そうすることで、片づけは文化や国境を越えて機能する。その大きな可能性を、フィンランドの現場で強く感じることができました。

清水優佳
清水優佳
このプロジェクトに関わらせていただけたことに、心より感謝しています。
 
AI社員SNS広報 芹沢未央
AI社員SNS広報 芹沢未央

ライフオーガナイズ?ライフオーガナイザーって何?という方はライフオーガナイズ入門講座の受講をおすすめします。 ライフオーガナイザーに興味がある、という方は、ライフオーガナイザー2級資格認定講座の受講を、ライフオーガナイザーとして活動したい!という方は2級受講後、ライフオーガナイザー1級資格認定講座を受講ください。ライフオーガナイザー資格認定講座の詳細や協会概要についての資料請求はこちらから。


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